www_074_hanger / fukasawa naoto

two_crafts2008-11-22

9月からサンジェルマンに移転したギャラリー・クレオ。周辺にはjousse enterpriseはじめデザインやアートのギャラリーが多く、スペースも広くなって、ビジネスの好調ぶりが窺える。その移転第1回目のエキシビションで発表されたのが深澤直人の「ハンガー」。素材はオーク材と釘。タイトル含めていかにもスーパーノーマルな、といってしまえばそれまでだけど、衝撃でした。いい意味で。

日常の中のどこにでもある風景から誰も気づかなかった美しさを発見...といっていえなくはないけれど、こんな釘をただ打ちつけて服を掛けてるシーンはすでに日常にありえない。というかこのサイズの釘を打っていい壁というのがすでにあまり見当たらない。といってもノスタルジーをかき立てるほどの物語性があるわけでもなく。見過ごされるべくして見過ごされてきたものを見過ごさなかった気づきを、作品にして値段つけて売るということ自体が一種の実験のような。さすがにここまではプロダクトじゃ無理では、と。

ちなみに板のサイズは64cmX9cmX3cm、作ろうと思えば誰でも作れそう。ただし釘の先端がどうなっているかは不明。

深澤さん含む16デザイナーが参加した今回のエキシビションは、いずれ1冊の本にまとめて発行されるらしい。しかしそれよりも、この調子でラインナップ広げた深澤さんの個展が観てみたい。tt